あなたは何かを選ぶ時、何を基準にしているでしょうか?
こちらを選んだほうが得するし損しない、と損得で選ぶことがあるかもしれません。
今回は、本音と本気を引き出す心得のひとつ「心が動くことを大事にする」をお伝えします。
1. 自分が心からしたいことを選ぶ
損得は、頭で計算しています。
たとえば、友人と約束をしていたけれど、もっと仕事にプラスになりそうな会合への誘いが入った。この会合に行けば新しい契約につながる。だから、友人の約束を断って自分の得になる会合に行こう。
これが損得勘定で選ぶ生き方です。
でも、これではお金は入ってくるかもしれませんが、人は去っていくかもしれません。
「損得で選ぶ」
の逆にあるのが、
「心で動く方を選ぶ」
です。
心が動くこととは、自分が心からしたいことを選ぶ、という意味です。
これをぼくは「愛の選択」と呼んでいます。
計算で動いていないので表裏がなく、人と気持ちよく関わることができます。
実は、ビジネスの場面でも損得を無視して心が動く選択をすると、結果的によいものが手に入ることが多いのです。
2. 人が行動を起こす時。それは「心が動いた時」
先日、ジャケットを買おうとショッピングに出かけた時のことです。
「どのようなものをお探しですか?」
と聞いてくれた店員さんが、
「ああ、それでしたら、3軒先のお店にぴったりのものがありますよ」
と、他店を紹介してくれたのです。
損得で考えたら、他店で買うより自分の店で買ってほしいはずです。
でも「どのお店であっても、お客様が気に入った服を手に入れられることが大切」と思っての言葉に、とても好感を持ちました。
結局のところぼくは、このお店に戻ってきて服を買いました。
3軒先の店も行ってみたのですが、店員さんの接客がどうも自分に合わず、ぼくが求めるどんな服に何を組み合わせたらいいのかの相談ができなかったのです。
損得抜きに相手のことを思う姿勢が、結果として売り上げにつながったのです。
また、ある時ぼくは眼鏡を買いに出かけました。
「今このフレームが人気です。よく売れているんですよ」とか「こちらが先週入荷したばかりの新しいモデルです」と説明してくれる店員さんはいるのですが、どれを買ったらいいのか決められませんでした。
ぼくにとっては、「人気がある」とか「新しいデザインであること」はどちらでもよいことで、選択の理由にはならないのです。
ところがある店で、素晴らしい店員さんに出会いました。
「どんなふうに見られたいですか?」
と聞かれたのです。
その眼鏡をかけたとき、人からどんなイメージで見られたいのか。
その眼鏡をかける時は、どんな人と会っているのか。
どんな服装をしているのかを考えさせられました。
「そのように見られたいのであれば、私がおすすめしたいのはこの3種類ですね。ぜひかけてみてください。一番その姿に近いのは、3つのうちのこれだと思います」
たしかに、そのおすすめのものが気に入って、購入することができました。
損得で考えていると、
「今月の売り上げノルマは、あと〇〇万円。売れそうなものをすすめよう」
となるかもしれません。
でも損得抜きに、
「目の前の人が求めているものは何だろう?どのようなものがぴったりだろう」
と親身になって考えてくれる人には、好感を持ちます。
この人から、「また買いたい」「友達にもすすめたい」ということになるのです。
いつも損得で物事を考えていると、人間関係に潤いがなくなっていきます。
人が行動を起こす時。それは「心が動いた時」なのです。
ものを買う、学ぶ、参加する、何かを始める。すべてのベースはここにあります。
常日頃から、心から選ぶ、ということを意識してみましょう。
損得よりも、心で選ぶために何ができますか?