
パリに帰ってきました。
長い長いドライブ旅が、終わったんです。
気づけば1か月。
そんなに経った気がしない。
この場所を出て、1日くらいしか過ごしていないような感覚。
出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.247 1か月のドライブ旅を終えて
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1. 地図をダーツのように見て、決める
妻にとって一番の思い出は、偶然見つけた小さな街だったそう。
その日の宿は、いつも地図から決める。
ホテルを一軒ずつ細かく見ていくのではなく、地図をダーツのように眺めて「このあたり」と指す。
そうやって選ぶと、毎回おなじ宿に行き着いた。
1回見つけて「ここ、いいな」と思った。
でも部屋が狭いかもしれない、スーツケースもあるし、と考えて、ほかも探してみる。
また地図をダーツで見る。すると、またそこ。
3回おなじところに戻ってきて、「もうここだね」となった。
地図の細かいところは見ていないのに、指はおなじ場所を指す。
そういうの、大事にしたほうがいい。
考える前に、あなたが最初に指さした場所はどこですか?
2. 入ると、スーッとする街
その街だけ、明らかに雰囲気が違った。
入った瞬間に、気持ちがよくなる。
スーッとする、としか言いようがない感じ。
分かりやすい例をひとつ。
ぼくは8年間、iPadで対戦ゲームをやっています。
最後まで生き残るタイプのゲームで、1試合30分。仕事のあとにリラックスするためにやっている、はずのもの。
ところが終わったあと、決まって手足が冷たくなっている。
息を止めて、前のめりで集中しているから。
「これは本当にリラックスなのか」と妻は思っていたらしい。
ぐっと我慢して見守ってくれていたそう。
その街にいるあいだ、ぼくはそのゲームをしなくなった。
なんとなく、やる気にならない。
あとで宿と街のことを調べてみたら、理由がわかった。
泊まっていたのは、修道院をリノベーションした建物。まわりには美しい教会がいくつもある。
祈りの街だった。
ルルドほど大きくはないけれど、いろんな人がお祈りに来る場所。
小さな街なのに人が多いな、とは思っていた。
あまりに居心地がよくて、南へ向かうときと、南からパリへ帰るとき、2回立ち寄った。
おなじ場所に戻るのは、ぼく達にしては珍しいこと。
そこに入ると、力が抜ける場所はどこ?
3. ハートマークをつけていた店に、たどりつく

旅の中のぼくの一番は、ぶどう畑の街。サンセールです。
360度、見わたすかぎり畑。
そして、ワインがこんなに美味しいのかと、初めて思った。
白ワインの産地として有名なところらしい。
ここも小さな街で、日本人はまったく見かけない。
アジアの方も、たぶんいなかった。
そこで入ったレストランの話が、また面白い。
妻は、どこに泊まるか決まっていない段階から、地図をながめていた。
このあたりの街に、ぼくが喜びそうな店はないかな、と。
気になった一軒に、ハートマークをつけていたらしい。
そしてサンセールに着いて、「ここのレストラン、よさそうじゃない?」と開いたら、ちょうどハートがついていた。
しかも入ってみたら、日本人のご夫妻が経営されている店だった。
1か月の旅で、初めて出会った日本の方。
「どうしてここに来たんですか」「どなたかのご紹介ですか」と聞かれるくらいの場所で、です。
あんまり気に入ったので、帰り道にもう一度寄ろうかと思った。
妻に言わずに、知らないふりして。
結局、帰りのルートが違ったので叶わなかったのだけれど。
この2つの街は、車の旅じゃなかったら絶対に出会えなかった。
飛行機で行っていたら、まず降り立たない場所。
まだ決めていないうちから、あなたが心に印をつけているものは?
4. 旅ではなく、暮らしが続いていく
車の旅は、想像以上に便利でした。
運転は大変だと思う。
でも、ぼく達がしているのは旅というより暮らしだから、車がとても合っていた。
どこへ行っても、家を借りて、そこで暮らしが始まる。
暮らしの道具は、行くたびに増えていく。
使いきれなくても、どうせ次の家で使う。
トイレットペーパーも、炭酸水も、そのまま積んで運べばいい。
家ごと引っ越していくようなもの。
飛行機の旅では、これはできない。
飛行機だと「旅」という感じがする。
車だと、暮らしを続けられる。
高速道路には、キャンピングカーがたくさん走っていた。
あれもきっと、おなじ理由なのだと思う。
ぼく達は、家を借りてそこを自分たちの家にしていくほうが好き。
だから車がちょうどいい。
あなたが移動しても手放したくない、暮らしの一部はなんですか?
5. 子どものころの週末が、いまにつながっていた
意外に楽しかったのが、サービスエリア。
何かと寄りたくなる。
どんなものが売っているのか、見てみたくなるんです。
ぼくは、マクドナルドの印があるかどうかを毎回聞いていた。
その印があるところは大きくて、いろいろ揃っているから。
ぼく達が行くのはマイナーな地域が多いので、大きいところばかりではない。
それでも、けっこうあった。
運転が苦手な人にとって、あれはオアシス。
妻にとっては、そういう旅そのものが、子どものころの遊びだったそう。
週末になると、家族5人で必ず出かけていた。
ドライブして、道の駅に寄って、何か食べたり飲んだりして、またドライブして、ご飯を食べて帰る。
それが、ずっと楽しみだった。
あの時間で充電していたのだと思う、と言っていた。
だから今回の車旅が、自分にすごく合っていたし、懐かしくもあったらしい。
ぼくには、その経験がなかった。
だから今回、初めて味わったことがたくさんあった。
旅というと、知らない土地と新しい出会いをイメージする。
でも今回は、再会も、いつもの場所も含まれていた。
そのバランスが、よかったのだと思います。
かけがえのない1か月でした。
子どものころ、あなたが夢中になっていた週末の過ごし方は?
