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クーラーのないパリで、熱波の夏。「静」で過ごすという知恵

2026年7月16日

いま、パリが暑い。
例年より12度も高い日が続いて、日中は36度。夜の10時になっても34度のまま。しかも部屋にクーラーがない。

そんな熱波のパリをどう過ごすのか。
そこには「暑さと戦う」のとはちょっと違う、暮らしの知恵がある。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.241 パリの熱波の過ごし方
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く

1. 夜のうちに、涼しさを部屋に溜めておく

妻がまずやっているのは、夜中のあいだ窓を全開にしておくこと。
パリの夜は、本来なら18度や19度まで下がる。最近はそこまで下がらないけれど、それでも夜のうちに涼しい空気を家の中に溜め込んでおく。

そして朝の7時半から8時には、日差しの当たる窓を閉めて、カーテンも閉める。
光を部屋に入れない。カーテンを一枚閉めるだけで、部屋の温度はずいぶん違ったという。だから日中の部屋は基本的に暗くて、間接照明で過ごすことになる。

ところが妻は、その暗さが結構気に入っているらしい。
そこには思いがけない発見があった。

魔法の質問
あなたの暮らしの中で「先に仕込んでおく」と楽になることは何?

2. 光を入れすぎない方が、消耗しない

夏のパリは、日照時間がとても長い。
日の入りは夜の10時ごろ。明るい時間が16時間近く続く計算になる。

普通なら夜の8時、9時と暗くなっていくのに、外がさんさんと明るいままだと、体はちょっと頑張って起き続けてしまう。それが自律神経の負担になる。

だから逆に、午前中から部屋を少し暗くして、光をあまり入れすぎずに過ごす。
その方が体調が消耗しないことに、妻は気づいたという。

暑さ対策として始めたことが、体を守る過ごし方にもなっていた。

魔法の質問
あなたが最近「減らしてみたら、かえって調子がよくなったもの」は何?

3. 首を冷やして、夕方の風にあたる

妻は日本から、冷感グッズも持ってきていた。
スポーツ用の、首を冷やすバンド。首にはいちばん太い血管が通っているから、そこを冷やすだけで体はだいぶ楽になる。熱が上がると頭痛になりやすい妻には、これがとても効いているそう。

考えてみれば、日本にはこういう暑さ対策グッズが驚くほどたくさんある。
それはなんて幸福なことなんだろう、と妻は言う。日本にいる皆さんには、ぜひあれを存分に活用してほしい。

もうひとつの知恵は、夕方に外へ出ること。
パリは湿度が低いから、日陰に入って風があれば、30度くらいまでは意外と耐えられる。夕方の5時、6時はまだ暑いけれど、家にこもるより、外に出て風を浴びる方が気持ちいい。乾いた土地ならではの過ごし方だ。

魔法の質問
あなたのまわりにある「当たり前だけど、実はありがたいもの」は何?

4. エアコンが買えない街で

それなら、いっそポータブルのエアコンを買えばいいのでは?
そう思って調べたら、届くのは来年の2月だと言われた。3ヶ月待ちどころではない。Amazonでも買えない。電気屋さんを回っても、どこも「入荷は2月」。

氷を作る製氷皿を買いに行けば、「そんなのとっくに売り切れよ」とどこのスーパーでも言われる。
5月から熱波が来て、6月には40度の日もあったから、フランス中の人が同じものを求めたのだろう。

日本なら100円ショップで当たり前に買えるものが、ここにはない。いま日本から来る友人に、製氷皿を頼んでいるところだ。

日本では当たり前に手に入るものが、世界では当たり前じゃない。
そのことを、熱波がまざまざと教えてくれる。

魔法の質問
もし「いつでも買える」がなくなったら、あなたは何を工夫する?

5. 「静」で過ごす夏

夏って、気持ちが盛り上がる季節だ。
でも盛り上がって動き回ると、体は熱くなる。クーラーがあれば家に帰って冷やせるけれど、ここにはそれがない。

だから妻は、落ち着いて過ごすことを意識するようになった。
気を上げすぎない。家の中でもあれこれ動いたり、頭を使いすぎたりしない。静の時間、陰の時間を自分の中に持ちながら、物事をやっていく。

それは我慢というより、自然がもたらしたバランスのメッセージのようだった、と妻は言う。

クーラーがあったらきっと、いつも通り騒いで、動いて、消耗していた。ないからこそ、工夫が生まれて、静かに過ごす豊かさに気づけた。

そしてもうひとつ、支えになっていることがある。
パリの夏は、本来は高原の夏。日本のように9月まで暑さが続くわけじゃなく、来週には最高気温がぐっと下がる予報が出ている。

「終わりがある」とわかっているだけで、人はこの数日を頑張れる。

アイスカフェラテを飲みながら、涼しくなったパリを思い描いて。
熱波の夏も、工夫と一緒に乗り切っていく。

魔法の質問
いまのあなたが「静」で過ごすとしたら、何をやめて、何を残す?
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Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: ライフトラベラー, パリ, 熱波, 暑さ対策, 暮らしの工夫, 静の時間, バランス

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プロフィール


マツダミヒロ

質問家。「魔法の質問」主宰。
時間と場所にとらわれないビジネススタイルで世界を旅するライフトラベラーでもある。 各国で「自分らしく生きる」講演・セミナー活動を行う。 著書は国内外で35冊を超え、年間300日は海外に滞在。

独自のメソッドの「魔法の質問」は世界各国に広がりインストラクターは5,000人を、 メルマガの読者は5万人を超える。 NHKでも取り上げられた「魔法の質問学校プロジェクト」では、ボランティアで世界各国の学校へ訪問。

『質問は人生を変える』(きずな出版)『賢人たちからの運命を変える質問』(かんき出版)ほか著書多数。
→著書をチェックする(Amazon)

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