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気温プラス15度のパリへ戻る。気候変動の時代に、人間が合わせるという暮らし方

2026年6月25日

「人間が合わせていけばいい」

2ヶ月の日本滞在も、いよいよ終盤。
残り1週間、と数えるようになって、自然と思い出すのは、山菜料理人さんから聞いた山の話だった。

温暖化で山がどんどん変わってきていて、頂上まで行かないと山菜が採れない。だから夜中の3時に起きて、9時間かけて毎日山を登るのだという。

その話を、淡々と、当たり前のように話していた姿。
そして、そろそろ戻るパリは、平均気温が例年プラス15度。エアコンのない暮らしの常識が、もう揺らぎはじめている。

出典:ポッドキャスト「ライフトラベラーカフェ」
cafe.238 人間があわせる
▶ エピソード全文・音声はこちら → Listenで聴く

1. 怒涛の2ヶ月、それでも「味わいたい」と思える日々

東京から始まって、山形、軽井沢、箱根、伊豆、沖縄、そしてまた山形。
気がつけば、ノンストップの2ヶ月だった。

わたしが「休めますかね」とつぶやくと、ミヒロくんは「無理でしょうね」と返す。
それくらいの密度。

それでもWAKANAが大切にしたい、と言葉にしていたのは「ただこなすんじゃなくて、味わいたい」という感覚だった。

暮らしも、予定も、仕事も、会食も。今この瞬間を、ちゃんと味わえる自分でいたい。
忙しさの渦中にいるからこそ、その姿勢が、毎日の体験のひとつひとつに静かな色をつけていく。

魔法の質問
いまのあなたが、「ただこなす」のをやめて味わいたいことは何?

2. 山形の集い、遠くから聞こえる笑い声の幸せ

今回の日本滞在のなかでも、山形で過ごした時間は格別だった。
友人のシェフたち、その家族、子どもたち。みんなで集まって食卓を囲むと、もうシェフを超えて、ファミリーのような時間になっていく。

そのなかでWAKANAがにんまりしていた瞬間がある、と話してくれた。
「ちょっと席を離れたときにね、遠くからみんなの笑い声が聞こえてくるの。あれがすごく好き」

その場にいることもいちばん幸せ。でも、少し離れたところから、大切な人たちの笑い声を聞ける時間に、平和そのものを感じるのだという。

地球に住んでいる、と言いはじめて13年。家族のような仲間が、地球のあちこちにいる。
その響き合いが、自分のいまの暮らしを支えていることを、改めて思い出した日だった。

魔法の質問
あなたが「遠くから聞こえてきたら嬉しい」笑い声は、誰のもの?

3. 2秒の動画が、暮らしに色を灯す

最近、WAKANAが少しだけ始めたものがある。
2秒の動画を毎日撮る「セットログ」。家族で共有できる、小さな映像の積み重ね。

写真だと「撮らなきゃ」と身構えるけれど、2秒の動画は気軽に撮れて、ちょっと動いているだけで、その瞬間の生きている感じが残るのがいいらしい。

「空間に命が灯る、色が灯る感じがする」
その言葉が印象的だった。

毎日のなかで、なにかを「味わう」ということと、こんな小さな映像を残すことは、実はとてもよく似ている。
長く立派なものでなくていい。ほんの少しの動きを、いまここに、残しておく。
それだけで、過ぎていく時間の色が、ちょっと違って見えてくる。

魔法の質問
今日の2秒を切り取るとしたら、どの瞬間を残したい?

4. 気候変動の時代、人間が合わせていく

そしてもうすぐ戻るパリの夏は、ニュースを見るたびに息をのむ。
例年プラス15度、37度を超える日々。エアコンを設置できない家が多いパリでは、600ユーロほどのポータブルクーラーがどの家電屋でも品切れ寸前だという。
ヨーロッパ全域の平均気温が、もう静かに書き換わってしまっている。

そんな話をしていたら、出羽屋の山菜料理人さんの言葉が浮かんできた。
温暖化で天候が変わり、山菜や生き物が以前のように採れなくなってきている。だから、頂上まで行かないと採れない。夜中の3時に起きて、9時間かけて山に登る。そのために、いま膝を鍛えている。

淡々と「人間が合わせていけばいい」と話していた、その姿。
嘆くでもなく、敵にするでもなく、自分の足腰と仕事のあり方を、少しずつ作り直していく構え方。

気候は、もう「いつもの夏」を返してはくれないかもしれない。
そのとき、わたしたちにできることのひとつは、文句を言うことよりも、暮らしの形を少しずつ整えていくことなのかもしれない。

パリでの夏のすごし方も、家のなかの過ごし方も、出かける時間帯も、食べるものも。
「人間が合わせていく」という言葉を、今年の夏のお守りにしたい。

魔法の質問
変えられない環境の変化に、あなたが合わせていけることは何?

まとめ

怒涛の2ヶ月のなかで残った景色は、山形で聞こえてきた家族のような笑い声と、2秒の動画に灯る暮らしの色と、淡々と「人間が合わせる」と話していた山菜料理人の姿だった。

世界はどんどん変わっていく。気候も、街も、自分の体力も。
そのなかで、何を恨むか、何を諦めるかではなく、どう合わせていくか。
その問いを持って暮らすこと自体が、これからの旅人としての一歩なのかもしれない。

味わいたい今を、味わいながら。
暮らしの形を、少しずつ整えながら。

今年の夏、あなたはどんな自分で過ごしてみたいだろう。

Filed Under: ライフスタイル, 旅 Tagged With: 暮らし, 山形, パリ, 気候変動, 体験を味わう, ライフトラベラー

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プロフィール


マツダミヒロ

質問家。「魔法の質問」主宰。
時間と場所にとらわれないビジネススタイルで世界を旅するライフトラベラーでもある。 各国で「自分らしく生きる」講演・セミナー活動を行う。 著書は国内外で35冊を超え、年間300日は海外に滞在。

独自のメソッドの「魔法の質問」は世界各国に広がりインストラクターは5,000人を、 メルマガの読者は5万人を超える。 NHKでも取り上げられた「魔法の質問学校プロジェクト」では、ボランティアで世界各国の学校へ訪問。

『質問は人生を変える』(きずな出版)『賢人たちからの運命を変える質問』(かんき出版)ほか著書多数。
→著書をチェックする(Amazon)

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