●登場人物
主人公
稲森佑之介 33歳
妻と子ども
稲森秋保 32歳
稲森良太 3歳
そばや
『七森庵』 山形県山辺町 大蕨(おおわらび)
銀行員の友人
藤田圭太33歳
シンガポールの投資家
池本知春42歳
1話:ただ好きだから
2話:独立
3話:固い意志
4話:開店(この記事)
5話:満員御礼
6話:それから1年
7話:バラ色の未来
8話:夫婦会議
9話:プレゼンテーション
10話:ライバルが大成功
11話:豊かさとは?
開店
そして
お店はオープンした。
お店の名前は
『七森庵』
この町には7つの森があり、その森にそれぞれ神様が住んでいるという。
その神様に感謝するという意味を込めている。
オープンをする前に
夫婦で
2つのことを決めたという。
1,仕事よりも家庭を大切にすること
2,納得がいくクオリティのそばしか出さないこと
この2つのことを踏まえて
週に3日間の営業。
1日3組限定。
というスタイルになった。
このことも、
周りを驚かせた。
山形のそばやで週に2回も休むところはない。
週に2回どころか週休4日。
そして、
1日3組限定。
この位の数でないと、
目が行き届かないからだという。
同級生でもある銀行員の友人、藤田圭太が、
心配になってアドバイスをしに来た。
「佑之介、お前知っているか?
単価×客数が売上になるんだぞ
こんなやり方じゃ、売上が上がらないだろう」
それに対しても
「ぼくたちは、食べていけるだけでいんだよ。
家賃もほとんどかからないし、
食材もこの周辺の農家さんがいつもくれる。
お金をつかうことも、ほとんどないからな」
「本当に、佑之介はやる気がないな〜
あとから困ったっていっても、
金かさないぞ」
圭太は、
地元の銀行の出世頭でもある。
たくさんの企業に融資をして
企業が大きくなることに喜びを感じている。
売上と雇用を拡大していかない企業は罪だとも思っている。
一度東京に出向に行って
昨年戻ってきた。
それからは、さらにその考えは強まったようだ。
「佑之介は、まったく商売の事わかっていない」
と圭太は言うけど
「圭太は、まったく商売の事わかっていない」
佑之介は言う。
はたして、
どっちが正しいのだろうか。
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【5話:満員御礼】
上記の魔法の質問に答えてみる