●登場人物
主人公
稲森佑之介 33歳
妻と子ども
稲森秋保 32歳
稲森良太 3歳
そばや
『七森庵』 山形県山辺町 大蕨(おおわらび)
銀行員の友人
藤田圭太33歳
シンガポールの投資家
池本知春42歳
目次
1話:ただ好きだから
2話:独立(この記事)
3話:固い意志
4話:開店
5話:満員御礼
6話:それから1年
7話:バラ色の未来
8話:夫婦会議
9話:プレゼンテーション
10話:ライバルが大成功
11話:豊かさとは?
1話:ただ好きだから
2話:独立(この記事)
3話:固い意志
4話:開店
5話:満員御礼
6話:それから1年
7話:バラ色の未来
8話:夫婦会議
9話:プレゼンテーション
10話:ライバルが大成功
11話:豊かさとは?

独立
独立したのは今から4年前、佑之介が29歳の時。
やめることを
町役場の上司に伝えたら
「頭がおかしくなったか?」
と、独立を反対された。
それはそうだ、
町役場は公務員。
公務員を自ら辞める人など
誰もいないからだ。
この町では
なりたい職業1位、
いや、親が子どもになってほしい職業1位といったほうがいいのか。
公務員になれば
引退まで安泰。
これ以上の
職業はないのだ。

上司からも引き止められたが
親や親戚からも大反対。
「もし、役場を辞めるのなら親子の縁を切るぞ」
とも、父親からは言われた。
実は、父親も昔、町役場に努めていたが、
この町に商店を作りたい!といって、役場を辞め
お店は開いたものの、
人口が少ないこの町で
お客さんが来るわけもなく
大赤字になり
3年ほどでお店を辞めてしまった。
今は、となり町の地元メーカーで営業をしている。
自分の失敗を息子にはさせたくない
というのが、父親の想いだろう。
「世の中そんなに甘くねぇぞ」
父親の口癖でもあるこの言葉を
この時は10回以上は聞いたようだ。
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【3話:固い意志】
フルーツ says
ステキなストーリーを有り難うございます。きっと、親が失敗していても成功していても、一般的と呼ばれるレールからズレた意見を伝えらると、ドキッとすると思う。成功するのかしないのかは、本当に誰にもわからない。自分で決意したことに心が満たされ、責任できるのならば、親も心から送り出す覚悟を決めるのだと思う。人も人生も世の中も、深すぎます。